心理士でパニック障害当事者のきつね丸です。
今回はパニック障害の基本の症状を3つ紹介します。
パニック障害と診断されても、医師からきちんとした症状の説明がないこともよくあります。
高校時代に診断された私もそうでした。
自分の身に起きていた強烈な恐怖心を伴う現象に、名前が付くことで少しほっとしたのですが、今考えればもっと説明があればより向き合いやすくなっていたのではないかと思います。
ですので、当時の自分が知れたらよかったと思う、押さえるべき基本的な症状についてお話します。
パニック障害の当事者だけでなく、初めてパニック症について調べる人にも役立つと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
パニック障害の基本症状
パニック障害の基本的な症状には
- パニック発作
- 予期不安
- 広場恐怖(ない場合もあります)
の3つがあります。
1. パニック発作
1つ目の症状はパニック発作です。
精神疾患の病名やその症状が詳細に定められたDSM-5によると、パニック発作とは、
「突然、激しい恐怖または不快感の高まりが数分以内にピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる」
と定義されています。
その症状とは以下の通りです。
- 動悸
- 発汗
- 身震いまたは震え
- 息切れ感または息苦しさ
- 窒息感
- 胸痛または胸部の不快感
- 嘔気または腹部の不快感
- めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- 寒気または熱感
- 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
- 抑制力を失うまたはどうかなってしまうことに対する恐怖
- 死ぬことに対する恐怖
かなりたくさんありますよね。
どの症状がどのくらいの数現れるかは人それぞれです。
ちなみに私の場合、3、8、11、12、13が強く出現しました。
発作の時にどの症状が強く出ているか、ご自身で振り返ってみましょう。
※パニック発作で死ぬことはない、時間が経つと必ず治まるもの
症状13の死ぬことに対する恐怖はほとんどの人が感じるのではないかと思います。
心理士という職業柄こんなことはあまり言うべきではないのかもしれないのですが、あの恐怖心はパニック発作を経験した人にしか本当の意味では分からないかもしれません。
(経験のない話題に想像力をフル回転して共感的に関わろうと努めることは、心理士の大切な専門性の1つでもありますので…)
なので、周りの人に自分の苦しみを理解してもらえないこともあると思います。
ですが、パニック発作で死ぬことはない、そして時間が経てば治まるものということも、紛れもない事実です。
ほんとに怖いけど死ぬことは絶対にない、この認識があることでパニック発作に対する恐怖心がほんの少しだけ楽になるので、ぜひ覚えておいてください。
2. 予期不安(よきふあん)
2つ目の症状は予期不安です。
予期不安とは、「また発作が起きるのではないか」と不安を抱くことを言います。
「発作は必ず治まる」と分かっていたとしても、発作は強烈な恐怖を植え付けるものなので、恐怖を避けるためにこのような不安が生じるのは自然なことです。
また、不安にも、「人前で発作を起こして変な目で見られたらどうしよう」「本当は命を脅かす病気なのではないか」など、たくさんの種類があります。
そして、この予期不安が3つ目の症状に大きな影響を及ぼします。
3. 広場恐怖(ひろばきょうふ)
3つ目の症状は広場恐怖です。
広場恐怖とは、「また発作が起きるのではないか」という予期不安から、発作が起きた、あるいは発作が起きそうな場所や場面を避けることを言います。
例えば、電車に乗っている時にパニック発作に襲われた場合、「電車に乗ったらあの怖い現象が起きるかもしれない」と不安に駆られ、結果的に電車に乗ることを避けてしまうことが多いです。
実際に発作が起きた状況だけでなく、発作が起きそうになる状況を避けることもよくあり、生活範囲がどんどん狭まって生活に支障をきたしてしまいます。
このような広場恐怖が全くない人もいますが、ほとんどのパニック障害者は多かれ少なかれこのような広場恐怖と闘っています。
まとめ
今回はパニック障害の基本となる症状を簡単に解説しました。
次回以降も心理士としての知識とパニック障害当事者としての実体験を合わせつつ、どんな対策をしてきたのかなど、様々なことをお話ししていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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