パニック発作の4つの対処法

パニック障害の基礎知識

心理士でパニック障害当事者のきつね丸です。

今回はパニック発作の対処法を4つご紹介します。

パニック障害と診断された後、服薬によって発作の頻度は減ることが多いです。

しかし、発作の要因は多岐に渡るので、なかなか完全にはなくなりません。

そのため、パニック発作と上手く付き合っていく必要があります。

この回では、心理学的な視点も取り入れながら、私が実際にやっている対処法をお話しします。

1. 発作の種類

対処法の話の前に、少し込み入ったお話をします。

(対処法を早く知りたいんだという方は飛ばしてもらって大丈夫です)

パニック発作には、

①予期されないパニック発作

②予期されるパニック発作 

の2種類があります。

①予期されないパニック発作とは、発作が起こる際に明らかなきっかけがない発作のことです。

例えば、リラックスしている時や睡眠時などに突然襲われるものをいいます。

②予期されるパニック発作とは、明らかなきっかけや引き金が存在する発作のことです。

例えば、大勢の人に囲まれる時や電車に乗っている時に発作が起きる、といったものをいいます。

多くの事例では、①の予期されない発作が起きた場面や状況に再び出くわすと、「またあの症状に襲われたらどうしよう…」と予期不安が強くなり、②の予期されるパニック発作が誘発されます。

(ちなみに、家でリラックスしている時に①の発作に襲われると、家でくつろぐことに予期不安を感じて②の発作が誘発されてしまい、家が安らげる場所から恐怖を感じる場所に変わることもあります)

そして、パニック障害と診断されてから苦しむのは、多くが②の予期されるパニック発作です。

そのため、以下では予期されるパニック発作を想定してお話ししていきます。

2. (予期される)パニック発作の対処法

2-1. 発作の前兆を感じ取る

パニック発作の対処法の基本として、発作の前兆を感じ取ること、が何よりも大切です。

例えば私の場合、呼吸がいつもより浅くなる、首と肩の凝りがひどくなる、意識が遠のく感覚が出てくる、やたらと焦ってしまう、といったものが発作の前兆として表れます。

これらは発作の前兆であると同時に、ストレスが溜まっていることを教えてくれるサインでもあります。

ストレスが溜まった状態だと、気持ちが不安定で予期不安も感じやすくなってしまうものです。

そして、このようなサインを感じ取った時は、休息時間を設ける、首や肩の力を抜いてストレッチをする、1つ1つの動作をゆっくり行う、といったことをしています。

そうすることでストレス状態が緩和され、予期不安を感じにくくなり、発作を遠ざけることができます。

本格的に発作が起きる前段階のストレス反応を感じ取り、そこで鎮火させることは何より重要です。

ストレスを感じるとどのような反応がでやすいか、ぜひ意識して考えるようにしましょう。

2-2. とにかく息を吐き続ける

それでも発作が起きてしまった時、あるいは起きそうな感じが強まった時は、とにかく息を吐き続けています

その際のポイントは、

1. 口をすぼませてできるだけ長く息を吐く(10秒から20秒位)

2. 手を当ててお腹を凹ませる(腹式呼吸)

3. 息を吸うことは意識せず自然に任せる(勝手にお腹に息が溜まる感覚)

です。

まず、息を吐くことで副交感神経が働き、心身をリラックスさせることができます。

その際に腹式呼吸を取り入れることで、よりリラックス効果を高めて気持ちを落ち着かせます。

また、私の場合は息を吸うことも意識すると逆に苦しくなってしまうので、吸うことよりもお腹に空気が溜まる感覚を意識しています。

パニック発作では過呼吸になる方がかなり多いのですが、この方法で過呼吸をある程度防止することもできます。

2-3. 肩の力を抜く意識

発作時は肩が上がって身体がガチガチになってしまいます。

そうすると呼吸が浅くなってしまい、交感神経が刺激されて発作がより強まってしまいます。

2-2のように息を吐き続けながら、肩の力を緩めることもできると、呼吸が深くなって落ち着く感覚が増します。

特に、僧帽筋(そうぼうきん)と胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉を緩められると効果的です。

2-4. 心の中で「大丈夫」と唱え続ける

パニック障害の基本症状でもお話したのですが、肩の力を抜いて息を吐き続けながら、心の中で「大丈夫」と唱え続けることも効果があります。

「これはいずれ治まる」「死ぬことはない」といったことも唱えたりしています。

心理学の概念で、”自己成就的予言(じこじょうじゅてきよげん)”というものがあります。

これは、そう思い込んでいるとそれが現実になるように行動してしまう、というものです。

簡単に言うと、言霊みたいなものですね。

自分自身に言い聞かせることには馬鹿にできない効果があり、私も何度も救われてきました。

ぜひ一度やってみてください。

3. まとめ

今回はパニック発作の対処法を紹介しました。

私が実践しているものをおさらいすると、

発作の前兆を感じ取る

とにかく息を吐き続ける

肩の力を抜く意識

心の中で「大丈夫」と唱え続ける

ぜひやってみて、その感想やご意見をコメント欄にいただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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