心理士でパニック障害当事者のきつね丸です。
・パニック障害からもっとよくなりたいけど何をすればよいか分からない
・病院に通っているけどまだ改善した感じがしない
このようなことを思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私自身もそうで、毎月通院して服薬もしていましたが、予期不安や何となく不調な感じはずっと続いていました。
そんな中で見つけた改善方法が、首と肩のストレッチでした。
これが克服のきっかけになったのは間違いありません。
調子が悪かったらまずはこれをやろうというものが見つかったことで、気持ちも安定するようになりました。
以下で、首と肩のストレッチが有効な理由と、私が実際に今も実践している方法をご紹介します。
また、パニック障害だけでなく、様々な心身の不調にも効果があるので、ぜひ最後までご覧ください。
首と肩のストレッチが有効な理由
首と肩のストレッチを行うことで、
1. 首や肩の凝りがほぐれて呼吸が深くなる
↓
2. 呼吸が深くなることで副交感神経が刺激される
↓
3. 気持ちが落ち着いて不安をコントロールしやすくなる
という効果があります。矢印に沿って順番に解説します。
1. 首や肩の凝りがほぐれて呼吸が深くなる
首や肩の筋肉の中には”呼吸筋”という、呼吸に関係する筋肉があります。
首や肩が凝っていると、呼吸筋の働きが滞ってしまい、呼吸が浅くなってしまいます。
そして、呼吸が浅くなると交感神経が刺激され、身体をいわゆる闘争(逃走)状態にするので、怒りや不安を感じやすくなります。
緊張している人の身体の状態って、肩が上がって呼吸が浅くなっているのをイメージしますよね。
肩や首が凝っているということは、そのような浅い呼吸が続きやすい状態なのです。
なので、肩や首をストレッチすることで凝りをほぐし、自然と深い呼吸に導くことが重要になります。
2. 呼吸が深くなることで副交感神経が刺激される
呼吸が浅い場合は交感神経が刺激されるとお伝えしましたが、呼吸が深い場合は逆に副交感神経が刺激されます。
副交感神経が刺激されると、身体を休息させる方向に働きます。
例えば、食べ物を消化する、心拍数が少なくなる、など。
もちろん、身体の面だけでなく、気持ちの面でも休ませる方向に働きます。
深い呼吸をしていると、気持ちがリラックスしたり、落ち着く感じのイメージがあるのではないでしょうか。
3. 気持ちが落ち着いて不安をコントロールしやすくなる
最後に、気持ちが落ち着くと、予期不安などの不安があっても冷静に考えることができるようになります。
不安に飲み込まれにくくなるということですね。
そうすると、自分の気持ちや行動をコントロールしやすくなります。
体験談と注意点
余談ですが、私が寛解のきっかけをつかんだのは、ネットで知った首と肩のストレッチのプログラムを購入して始めたことでした。
当時は大学受験が目前まで迫っているにもかかわらず、体調は絶不調で勉強どころではありませんでした。
今までのように勉強しても頭に入ってこなくなり、ちょっと勉強するだけで疲労が溜まって呼吸が苦しくなるような状態だったのです。
ですが、首と肩のストレッチを実践すると、1,2週間程で効果を実感し始め、多少集中して勉強できるようになりました。
また、首や肩がほぐれることで、自分の気持ちをコントロールしやすくなる感覚になります。
なので、予期不安がやってきた時も、前回お伝えした対処法の効果が高まり、不安を鎮めることができています。
ただし、一つ注意点があります。
パニック障害を含めた精神疾患では、副交感神経よりも交感神経が優位になり、自律神経の乱れが生じていることが多いです。
そのため、首や肩の凝りをほぐして深い呼吸ができる土台を作り、副交感神経を働かせることで、リラックスした感覚を生み出すことが必要と考えます。
しかし、本来は、交感神経と副交感神経が2つがバランスよく働くことが心身の健康につながります。
なので、副交感神経が優位になりすぎるのもまた良くないことになってしまいます。
具体的には、身体がだるい、消化器系の不調、などなど。
私も深い呼吸を意識しすぎたことで、逆に体調が悪くなることが多々ありました。
そのため、深い呼吸を意識しすぎることもまた心身の不調につながってしまうので、注意しましょう。
具体的な方法
私が毎日やっているストレッチをご紹介します。
昔は少し違うルーティンをやっていたのですが、youtubeでより良いものを発見し、現在はこちらの動画を参考にストレッチをしています。
この動画は肩甲骨をほぐすことが目的ですが、その過程で行う首や肩のストレッチが非常にやりやすいです。
ついでに肩甲骨も柔らかくすることで姿勢が良くなり、呼吸もさらに深くなるように感じます。
また、別の記事でもお話ししたのですが、動画の中に出てくる、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)、僧帽筋(そうぼうきん)を意識的にほぐすと効果を感じやすいです。
お風呂上りや寝る前に毎日取り組めるといいのですが、その日の調子によってできない時もあるかと思います。
自分のできる時に、できる範囲で構いませんので、少しずつ継続してやっていきましょう。
まとめ
今回はパニック障害を克服するためにまずできることとして、首や肩のストレッチをご紹介しました。
私自身は首や肩のストレッチを見つけたことで、克服への第一歩を踏み出すことができました。
ですが、効果には個人差もありますし、これだけやれば全てが良くなる!というものでもありません。
あくまでパニック障害を乗り越える下地を作るためのもの、と理解していただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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